骨盤の傾きについて ~Part 3~
こんにちは、上板橋かまた鍼灸接骨院です。
先月より、骨盤の傾きについてPart1~Part4に分けてお話ししております。
今回はPart3として骨盤の後傾が原因で起こる疾患や症状についてお話しいたします。
骨盤後傾が引き起こす可能性のある疾患や症状
骨盤の位置は、私たちの姿勢や健康に大きな影響を与えます。特に「骨盤後傾」は、姿勢が崩れる原因となり、さまざまな疾患や症状を引き起こすことが知られています。ここでは、骨盤後傾が原因で発症しやすい主な症状や疾患について見ていきましょう。
1. 腰痛(フラットバック)
骨盤が後傾することで、腰椎の湾曲が平らになり、いわゆる「フラットバック」と呼ばれる状態になります。この状態では腰椎が正常に機能せず、腰回りに過度な負担がかかります。特に長時間座ったり、立ったままでいると、慢性的な腰痛を引き起こしやすくなります。
2. 猫背や肩こり
骨盤後傾が続くと、上半身が前かがみになり、いわゆる「猫背」の姿勢になります。この猫背姿勢は、肩や首の筋肉に余分な負担をかけ、慢性的な肩こりや首こりを引き起こします。また、猫背によって呼吸が浅くなることがあり、疲れやすさや集中力の低下に繋がることもあります。
3. 膝や股関節への負担
骨盤後傾は、股関節や膝にかかる負荷にも影響を与えます。通常、骨盤は体重を均等に分散させる役割を持っていますが、後傾するとそのバランスが崩れ、股関節や膝に余計な負担がかかります。これにより、股関節や膝の痛みを引き起こし、変形性膝関節症や股関節症のリスクが高まることもあります。
4. 坐骨神経痛
骨盤後傾による姿勢の乱れは、腰から足にかけての神経にも影響を与えます。特に、坐骨神経が圧迫されると、腰からお尻、太もも、さらには足先までの広範囲に痛みやしびれを感じる「坐骨神経痛」を引き起こす可能性があります。坐骨神経痛は、一度発症すると長期的な治療が必要になることもあるため、早めの対策が重要です。
5. 腹筋や背筋の筋力低下
骨盤が後傾すると、腹筋や背筋のバランスが崩れ、特に腹筋が弱くなりやすい傾向があります。腹筋が弱くなると、正しい姿勢を維持するのが難しくなり、さらに骨盤の後傾が悪化するという悪循環に陥ります。この状態が続くと、腰痛や姿勢の乱れがさらに深刻化する可能性があります。
6. 消化不良や便秘
骨盤の後傾は、骨盤内にある臓器にも影響を及ぼします。特に、腸が圧迫されることで消化が滞りやすくなり、便秘や消化不良を引き起こすことがあります。また、腸の働きが悪くなると、体内に老廃物がたまり、疲れやすさや肌トラブルなどの不調が現れることもあります。
7. 冷え性やむくみ
骨盤後傾により、下半身の血流が悪くなることがあります。これにより、足先や手先の冷え、さらにはむくみが生じやすくなります。特に、デスクワークなどで長時間座り続けることが多い方は、血流が滞りやすくなるため、冷え性やむくみが悪化しやすい傾向にあります。
骨盤後傾は、日常生活の姿勢や筋力のバランスによって引き起こされることが多く、知らず知らずのうちにさまざまな不調を招くことがあります。適度な運動やストレッチで骨盤の位置を正しく保つことが、健康な体を維持するために重要です。
次回、骨盤の傾きを改善するための方法についてお話します。